昨日、いつもの様に2階で仕事をしていると、1階のリビングから、家内が今週のシニアセンターでのコンサートへ向けて練習をしているのが聞こえてきました。その内、どこかで聞いたことのあるメロディが流れてきたので、休憩で1階へ降りた時に「今の曲、なんていう題名だっけ」と聞いてみると、映画「ひまわり」のテーマ曲ということでした。そして、この映画で有名なひまわり畑のシーンはウクライナで撮影されたといいうのです。昨今のウクライナの悲惨な状況を見て、急遽プログラムに加えたたと言います。私自身、もちろんこの映画の存在は知っていましたが、まだ見た事がなかったのでネットで検索してみると、何とGYAOで無料で観れることが判りました。その時、時間は12時を回っていましたが、迷わず見ることにしました。
見終わってまず感じたのは、戦争で恋人たちが無理やり引き裂かれ、悲しくも皮肉な結末を迎えるところは「シェルブールの雨傘」に通じるものがありますが、この作品が決定的に違うのは、映画の途中で挿入される酷寒の雪原に埋もれるイタリア兵やロシア人捕虜の姿、果てしなく続く戦没者の墓標といったシーンに象徴される徹底したリアリズムにあります。監督ビットリオ・デ・シーカの面目や駆除といったところでしょうか。そして何よりも驚かされるのが、1970年に制作されたこの映画が、イタリア、フランス、アメリカ、そしてソ連の合作だということです。思想や社会体制が異なっても、力を合わせればこんなにも感動的な作品を作り上げることが出来る人類が、かくも愚かな事を再び繰り返すとは。この映画は今後各地でウクライナ支援の目的で上映されるということです。わたしも次回は大画面で改めて観たいと思います。
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