5月の「尺八&ピアノ デュオコンサート」では、ようやくコロナの感染も納まりつある中、大勢のお客様にお越しいただきました。しかし、その後、コロナは急激な感染拡大をみせ、連日のように感染者数の記録更新が報道される中、8月15日を迎えました。
この日はご存知のように、終戦記念日でもあり、プログラムも自ずとそれを意識したものとなりましたが、決して声高に主張するのではなく、静かに平和の尊さを顧みることが出来るように心掛けました。また、今回はライト兄弟よりも100年も前に人力で空を飛んだという、沖縄の伝説の英雄を称える「夢は大空 飛び安里」の発表記念も兼ねており、都内在住の関係者の方もお越しいただきました。
出演者の川井佐知子さんは、せせらぎ館で2月に開催されたミュージックビデオ「リトル・ツリー」発表記念コンサートではリトル・ツリーを演じていただきましたが、地元田園調布在住のミュージシャンでもあります。また、同じく「リトル・ツリー」で共演された溝渕俊介さんと、息の合ったステージを繰り広げていただきました。
コンサートは「月影のナポリ」で始まり、「ラ・ノビア」「少年時代」など第一部は皆さんにもおなじみの曲が続きましたが、「少年時代」が始まると、舞台の背景となったせせらぎ公園で偶然、二人の少女がボール遊びに興じはじめ、その絶妙なタイミングに思わず、お客様の顔に微笑が浮かびました。第二部は「芭蕉布」に始まり「沖縄名曲メドレー」と沖縄にちなんだ曲が続き、「さとうきび畑」が終わると会場は一瞬、静寂に包まれ、その後、静かな感動が広がりました。
そして今回のハイライトの一つ「夢は大空 飛び安里」を溝渕さんが高らかに披露した後、川井さんが再び登場して「悲歌」「Amazing Grace」をドラマチックに歌い上げました。その後、溝渕さとの息の合ったヂュエットでの「The Prayer」で会場は大きな拍手に包まれ、最後は日が陰りゆくせせらぎ公園を背景に、川井さんが彼女が自ら訳詞をされたイタリア語での「小さな祈り」でコンサートをしめくくりました。
厳しい環境での中、様々な偶然が重なりようやく実現したコンサートでしたが、出演者はもとより、ご覧いただいた方々にも強く心に残るコンサートになったと思います。
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